今回は、金属の接合方法の1つである「ロウ付け」についてと「ロウ付け」を使った自作のステーとごみ受けの紹介をします。
「ロウ付け」について
「ロウ付け」は、金属と金属の接合方式で溶接と半田付けの中間的な方法で、電気やガス溶接のように母材を溶かすことなく接合できる方法です。
ロウ材が溶け出す温度が450℃以上の場合で、それ以下の場合は半田付けとされます。
さらにロウ付けは異種金属も接合可能(アルミは別)で、貴金属やアクセサリー作成にも使われ、高価な設備も不用でDIY向きの方法です。冷凍機の銅管接合はこの方法です。
ロウ付けも半田付けもフラックス(酸化膜除去剤)を使わないとうまくできません。溶接やろう付けは母材温度が450〜1200℃位まで上昇するので表面が酸化します。
表面が黒い酸化膜を除去するのに使用するのが「焼け取り剤」です。今回は、銀ロウもフラックスもかなり昔の物ですが、問題なく使用できました。
※詳細なロウ付け理論、作業方法は専門サイトを参照してください。
パソコンデスク「ロウ付け」作業の手順
パソコンデスクに備え付けの棚の他に中間棚が欲しくなったので作業を行いました。
ステンレスSUS帯板とSUS丸棒で補強を行います。
最初に、手持ちのステンレスSUS帯板3×40×350mmを直角に曲げてみましたが、タワミで振動してしまうので補強をしないとダメな様子だったので、手元に3φのステンレスSUS丸棒があったので、今回は「ロウ付け」で斜めに補強することにしました。
ロウ付けに必要なものは「銀ロウ棒」「フラックス」「ガスバーナー」「焼け取り剤」です。
手順1:帯板の直角加工はテーブルバイスに挟み、ハンマーで叩いて加工を行います
手順2:丸棒を170mmに切って接続位置を決め、片方を点付けしてから反対側をロウ付けして、両側の接続部分に十分に銀ロウが溶けて回るようにします。
手順3:帯金とSUS棒の接続部分を#1000サンドぺーパーできれいにしてから、帯金の接続部分をガスバーナーで赤くなるまで(600℃位)熱します。
そこへSUS棒の先端にフラックスを付けて帯金へ当て、両方とも赤熱した状態の接合部へ銀ロウ棒を当てて適量を溶かし込み、温度が下がったところで水洗いか濡れた雑巾でふき取り、これを両端で行います。
手順4:母材が常温に下がれば「ヤケトール」(焼け取り剤)を布に塗り黒変部分を擦ります。黒変が取れたら、水で洗うか濡れ雑巾でふき取ります。これで完成です。
番外編、見栄えは気にしない!いらない端材で「流しゴミ受け」を作る
「ロウ付け」ついでにプラスチック製の「流しゴミ受け」が劣化したのでロウ付けで作りました。
流し接触部分を「殺菌作用のある銅製」にしてステンレスの輪をロウ付けします。
ステンレスφ3丸棒でゴミ袋寸法の楕円の輪の状態にし、余り部分を直角に曲げておきます。
輪の接続位置にフラックスを塗りバーナーで赤く熱して銀ロウを溶かし込みます。
φ6の銅丸棒は5cmに切って片側へ3mmドリルで深さ3mmの穴を開けます。
輪から直角に下げた部分を穴に差してSUSと銅の異金属間でのろう付けをします。
フラックスを塗り銅の方に熱量が必要なので、先に熱してからSUSを熱して部材温度を合わせ、赤熱したら銀ロウ棒を当てて溶かし込みます。
取り付けは廃物の吸盤です。水を含むと垂れ下がるのでいらない細いSUSワイヤーの袋の底支えを追加しました
※商品は以下の検索で探せます。
「銀ロウ棒」
「銀ロウ用フラックス」
「焼け取り」
「ガスバーナー」プロパン入高温タイプ