今回は、真っ赤な色合いが懐かしい、古いスズキのエンジン式発電機「スズキ(SUZUKI)SX800R」のキャブレター部分(ガスケット)の故障による息つき症状の修理についてご紹介します。
Contents
懐かしいスズキのエンジン式発電機「スズキ(SUZUKI)SX800R」
家庭用として使われる小型発電機には、ガソリンを使ったエンジン式の発電機、ガス発電機(カセットボンベ式)、ディーゼル発電機がありますが、おっさんが長年愛用しているスズキの発電機「スズキ(SUZUKI)SX800R」、これは、古い2サイクルのガソリンエンジン発電機ですが、まだまだ使えるアイテムです。
ネットで検索してみると、ジャンク品、過去オークション、スズキの撤退と寂しい限りですが、始動できるなら使える限り使います。
おそらく30年位前のモデルだと思いますが、発電機は常時使用するものではないので稼働時間は少ないです。色合いがちょっとレトロっぽいところも、愛着があります。
古い物でもまだ使えるなら、何とか動かせるならと浅知恵を絞り、とことん活用するのがおっさん流です。
近年、防災の意識から発電機の価値が高まっている
最近は、台風や地震など自然災害、発電所の異常による長時間の停電などが日本各地で頻繁に起きています。
多くの人が発電機を目にするシーンは、建設現場、工事現場、イベント会場、お祭りなどで、発電機を目にすることがあるでしょう。
テントのブースなど大きなイベントに出店する場合、小型で静音性が高く、初めて扱う人でも扱いやすい発電機のレンタルサービスもあるので、使い方がよくわからなくても、指示通りに動かせば簡単にエンジンが始動します。
昔は、自分で重い発電機を事前に借りてきてイベントに出店したものですから、オプションサービスで扱いやすい発電機のレンタルができて、使用後はその場で返せるのは便利なサービスですね。
最近では、騒音や排気ガスがないエコ発電機もあるようですね。
「発電機」については、各地域で大きな地震が発生した際など、発電機のレンタルや販売店での需要が増え品薄状態だという報道を目にしたこともあります。
もしも?が現実になった時の備えとして、準備が必要と考える人が増えたのかもしれません。
発電機「スズキ(SUZUKI)SX800R」のスペックについて
話は元に戻りますが、おっさんが愛用する古い発電機「スズキ(SUZUKI)SX800R」も、大規模な災害が発生した際には、交流100Vと直流12Vが使用できるので便利なことは間違いありません。ただし最新の静音化された発電機と異なり、2サイクル単気筒のこのエンジンは周囲に結構な騒音?いや爆音?を出します。
最新の発電機と比較すると、うるさいのが特徴です(笑)
<スズキ(SUZUKI)SX800R2サイクル発電機のスペック>
写真【SX800R】
SUZUKI 2サイクル発電機 型番:スズキ(SUZUKI)SX800R
- エンジン型式:強制空冷2サイクル
- 総排気量:単気筒70cc
- キャブレター:MIKUNIフロート式
- 連続定格出力:1.8 PS / 3600 rpm
- 定格回転数(50/60Hz):3000 / 3600rpm
- 騒音レベル(50Hz/60Hz):58 / 60dB
- 使用燃料:混合ガソリン 50:1
- 本体質量:21 kg
- タンク容量:2.0 L
- 連続運転時間(50/60Hz):3.1 / 2.6 時間
- 交流100Vコンセント2口
- 直流12ボルト端子1
エンジンが始動せず故障が発覚し修理を行う
先日、久し振りにスズキ発電機の始動を試してみたところ、なんとまさかの不発でした、、、。
使用頻度が少ないため、前回ガス欠で停止させて置いたので、キャブクリーナーを直接吹いてやると、やっと始動できましたが、アイドリングが不安定で「息つき」が発生しているので、キャブレターの不具合かな?と思われます。
発電機の異常は特に無いので、エンジン回りの確認をしてみると、燃料タンク内は錆もなくきれいな状態を保っています。プラグも問題なしでした。
発電機の前面カバーを外して、燃料ホース、ストレーナー、燃料コックなどをチェックしてみたところ全て正常です。
怪しいのはミクニのフロート式キャブレター部分と思われるので、一度分解洗浄を行なってみました。
写真【エアクリーナケース】
エアクリーナーパネルを外してみると、キャブとの間のガスケット部分が破損していました。
写真【ガスケット破損】
キャブを外すにはスロットルのリンケージとバネ2本を先に外す必要がありますが、50/60HZ切換え用のリンク固定部を外さないとキャブが固定ポルトから抜けません。
この後キャブのガソリンホースを外してようやくキャブが外れてくる仕組みになっています。
写真【ミクニキャブレター】
フロートカバーの固定ボルトを外して、カバー内部と燃料排出ネジ部、フロート側のメインジェット、メインノズル、スローノズルを外して清掃を行います。
次に、キャブ上部アイドルアジャストスクリュー、スローアジャストスクリュー、パイロットジェットを抜きキャブクリーナーを吹いて、各燃料経路の穴を細いワイヤーで貫通させ清掃します。
取り付ける際には、一応エアガンで吹いてから行いましょう。
写真【フロート】
写真【キャブレター】
ポイントとしては、アイドルアジャストスクリューを軽く締め込み2回転戻しておきます。
ここで、わざわざ部品購入はせず、自作の部品を作って修理を行います。
エアクリーナ側の破損ガスケットをシートから切り出し、ポンチと彫刻刀で穴を空けた自作ガスケットを入れて、キャブを嵌め、リンケージをセットしてからガソリンホースを繋ぎ、キャブを固定します。
あとはエアクリーナパネルをボルトとビスで固定し、前面パネルを嵌めて組み立て終了です。
ガソリンコックを開いてリコイルスタータを数回引くと・・・ブルーン!ブルーン!
「息つき」も振動も解消し、排気も無色、アイドリングも安定で、無事に復活しました。
古い発電機が防災用品として役立つ時がくるかも?修理にチャレンジしてみよう!
眠っている発電機、ジャンク品のいらないものだと思っていませんか?上手く始動することができれば、発電機は防災用品にもなります。
新しく新品の発電機を購入するには費用がかかりますが、万が一の時にライトや食料と同じくらいに役立つアイテムになるかもしれませんよ?
もし眠っているボロい、古い発電機をお持ちの方、動かなくて処分に困っている方は、ダメ元で修理してみることをおすすめします!
写真【電圧良し!】