修理作業の記録

HARIO(ハリオ)の乾電池式電動クリーマー(泡立て器)を修理する

HARIO(ハリオ)の電池式電動クリーマーSUPER CREAMER(スーパークリーマー)の修理

かみさんが動かなくなったHARIO(ハリオ)の電池式電動クリーマー「SUPER CREAMER(スーパークリーマー)」(泡立て器・カフェクリーマー)を「捨てる前にちょっと見て」と持ってきました。今回は、この小型の電池式泡立て器ハリオのスーパークリーマーの修理記録をご紹介します。

クリーマーとは、ミルクを泡立てる際に便利なアイテムで、ダイソーなどの100均一ショップでも販売されています。手動のものと電動のものがありますが、電動の方がシャカシャカ手を動かす必要がないので便利です。メーカーによっていろんな製品があります。

HARIO(ハリオ)「SUPER CREAMER」スーパークリーマー

HARIO(ハリオ)の電池式電動クリーマーSUPER CREAMER(スーパークリーマー)の修理
HARIO(ハリオ)の「SUPER CREAMER」スーパークリーマーは、我が家では、普段ブラックコーヒーを飲みますが、カフェラテが好きな人がやってくる来客時など、コーヒーを淹れる際に、牛乳を温めて泡立てる、短時間で泡ができるので、とっても重宝します。

電池式電動クリーマーの修理:症状チェック

HARIO(ハリオ)の電池式電動クリーマーSUPER CREAMER(スーパークリーマー)の修理
まずは症状チェックから、外見は電動歯ブラシに似ていて、軸の先端部に円盤と泡立て用スプリングが巻き付いていて、スイッチを入れるとモーターが回転するのですが、最初に、本体のプッシュスイッチを押してみても全く反応はありませんでした。

スイッチボタン部分は、スライド式の細長い電池ケースの蓋と一体構造になっていて、スイッチ部分はケース側にレール溝が無く少し上向きの状態になっていて、人差し指や親指でギュッと押して離すと元に戻る仕組みです。指でスイッチを押すと、下にあるバネ付き+端子金属板を押すことで、モータボディー側端子に接触して動作します。
HARIO(ハリオ)の電池式電動クリーマーSUPER CREAMER(スーパークリーマー)の修理
電池の蓋を開け単三電池2本を取り出してテスターで電圧をみると、1.5Vあるじゃないか。

電池は問題なし!では、早速分解してみることにする。

電池式電動クリーマーの修理:分解修理

①クリーマーの本体ケースを割ってみる

HARIO(ハリオ)の電池式電動クリーマーSUPER CREAMER(スーパークリーマー)の修理
本体ケース外部にビスは無く、合わせ目はぐるっと密着していて簡単には分解できないようになっていました。

外部合わせ目に隙間が見当たらないので、開けられる部分はないか、電池ホルダー内の金属板を外してみていくと、僅かな隙間にカッターの刃先を入れてみますが、どうやら外側は接着されているようです。

どうせ処分すると言っているクリーマーなので、ならばダメ元で、接着部分にカッターを入れて端から順に割っていくことにします。
HARIO(ハリオ)の電池式電動クリーマーSUPER CREAMER(スーパークリーマー)の修理カッター
先端が鉤状になったプラスチックカッターで合わせ目に溝を切り込み、ハンマーでコツン!とやってみると、不規則に割れたら諦めるしかなかったが、1部波型になったもののうまく2分割に成功したので先に進みます。

②クリーマー内部の構造チェック

HARIO(ハリオ)の電池式電動クリーマーSUPER CREAMER(スーパークリーマー)の修理
内部の構造はいたってシンプルで、部品はケース、スイッチ兼用電池蓋、モーター、電池接続用金属板2枚、泡立て軸とスプリングだけと、非常に部品点数が少ない構造でした。単純に軸を回すだけだから当然なのかもしれませんが、、、。

構造を詳しくみていくと、

・ケースは縦方向の2分割で樹脂成形してあって、部品を納めてから合わせ面を接着したと思われる

・単三電池2本を上下で格納するホルダー部分は、電池を直列接続するための+ー接点金属板

・電池ホルダーは、+端子接続とスイッチの+端子兼用のバネ付き金属板

・スライド式の細長い電池ケースの蓋と一体構造のプッシュスイッチ用のヘッド部分がある

・直流モーターは3極ブラシ式で+側端子にスイッチ兼用金属板がスイッチON時に接触する。マイナス側のブラシ端子は電池のマイナス側に直接接続することで部品を減らしている

・長さ10cmの泡立て軸は先端にスプリングでリングを作ってあり、2枚の円板の間にはめてある

・先端ツバ状の円盤は、オフセットの3点支持にしたもので、シャフト一体の樹脂成形としている

・軸のモーター側にはネズミ返し?的な3枚の円盤状突起がありモーター軸に差込む構造である

③動かない原因を探る

クリーマーの内部構造をチェックしたところで、どうして動かないのか原因を探っていきます。

・モーター外観に何かの汁跡?が残っているようにも見え、どこかでショートしたのか?
・電池を直接繋いでみると、うんともすんとも全く動かない。
・モーターをケースから外してテスターを当ててみると導通がなかった。
・モーターの片側の軸受兼用プラスチックカバー固定用の爪をドライバーで起こして外してみる。
・モーターは、3極ブラシモーターが使われていた。ブラシは+用とー用の2本がカバーに付いている
・ブラシ接触部分の軸は汚れたグリスが巻き付いた状態で覆われていて導通不良の原因かもしれない

以上から、おっさんの見立ては「ブラシ部分の汚れで接触不良」ではないかという結論になりました。
ならば早速、モーターのブラシ接触部分の掃除に入りましょう!

④清掃と点検修理

HARIO(ハリオ)の電池式電動クリーマーSUPER CREAMER(スーパークリーマー)の修理
故障の原因と疑われる、モーターのブラシ接触部分の掃除を行います。

・モーター回転子(ローター)側のグリスを拭きとり パーツクリーナーできれいに洗浄する。
・2本のブラシは錆が出ていたので、グリスを拭きとりサンドペーパーで接点部を磨く。
・モーターの回転子(ローター)はテスターでみると絶縁はされて、断線もない
・モーターハウジング内の永久磁石にも割れや異物付着などもない

上記の掃除作業を行い、モーターを仮に組み立て電池を繋いでみると「ブーン!」と勢いよく回り始めました!
やはりここに問題があったようです。軸受け部分には微量のグリスを塗って、このまま固定爪を元通りにしておくことにします。

⑤全体の組み立て作業

HARIO(ハリオ)の電池式電動クリーマーSUPER CREAMER(スーパークリーマー)の修理分解
カッターを使って外側のボディを割っているので、完全に元通りになるわけでなありませんが、使用頻度も低く、自宅で使うなら全く問題ありませんので組み立て作業を行なっていきます。

・モーター、電池ボックス用の金属板、スイッチ端子兼用のスプリング付金属板を2分割した本体ケース片側にはめ込み、セット状態が動かないように反対側のケースをはめ込んでいく。
・養生テープを3cmほどに切っておき、分割面を確実に合わせておいて養生テープで仮止めする。
・毎日使用する物ではないので、今回は接着剤を使用せずに、テープ止めで様子をみることにする。
・泡立て用のローター軸をモーターシャフトに差し込み、単三電池をセットして蓋をはめる。

電池式電動クリーマーの修理:動作確認
最後は動作確認をします。スイッチを押すと「ブーン!」と勢いよく回って復活しました。
HARIO(ハリオ)の電池式電動クリーマー「SUPER CREAMER(スーパークリーマー)」の修理完了です!

最後に

おっさんは「自前で修理可能かどうか判断し、とことん修理して使う」を信条にしています。と言っても経済的な負担や省エネ、環境負荷等のバランスは当然ながら考慮はしているつもりです。

特に「想い入れ」のあるものは、何とかしようと頑張るので整理ができないのが問題かも知れず。また、低価格でも長く使用した物など(見た目はレトロ志向で)復活できれば満足感を得られます。
古くても愛着のある物は棄てる前に、一度「ダメ元」で復活に挑戦してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、このハリオのクリーマー(泡立て器)は、乾電池式なので、家でももちろん、バーベキューやキャンプでも簡単にカフェラテが飲めます。人力の泡立て器はシャカシャカ上下に動かして結構疲れるものですが、クリーマーなら、スイッチを入れればすぐにミルクが泡立ちます。

長年愛用しているおすすめのコーヒーグッズでした。

100均一でも販売しているので見つけたら買っておくと便利です。