【DIY】自作工具・自作部品

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード3mmを圧着ペンチで自作する方法

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法 作り方や材料 リングスリーブ

何度かご紹介している、草刈機(刈払機)で使用する自作ナイロンコード(ナイロンカッターコード・メタリックコード)の作り方ですが、今回は、自作ナイロンコードの徹底比較ということで、草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法と、おっさんなりに調査分析した、自作ナイロンコードの強度や切れ味、使用感ついてご紹介します。

ナイロンコードを自作するならチタニウムが含まれるものがおすすめ!

草刈機を使った作業は体力のいる作業です。除草剤を撒かずにぐんぐん伸びる雑草と闘っている皆さんの参考となれば嬉しいです。

草刈機(刈払機)で広い面積の草刈り作業を行う場合は、金属刃のチップソーを使用すると効率的ですが、小石やブロック、金網フェンス、樹木などの障害物がある場合や斜面などの危険な場所ではナイロンコードを利用すると便利です。

古い丸山製作所の刈払機MB320の修理とメンテナンスを行ったところ、エンジンの吹き上りが大幅に改善されて、刈払機が無事復活したので、過熱を心配する位良く回るようになりました。

以前、アルミ粉入り2.2mmの自作ナイロンコードの作り方を紹介しましたが、クラッチは交換済みなのでこのパワーを生かそうと、もっと太くて切れ味と耐久性の良さそうな3mmのチタニウム入りナイロンコードを使って、差し込み式の自作ナイロンコードを試してみることにしました。

アルミ粉入り2.2mmの自作ナイロンコードの作り方はこちら↓

草刈機や刈払機用のナイロンコードを電工用圧着ペンチで自作する方法を公開!
草刈機や刈払機用のナイロンコードを電工用圧着ペンチで自作する方法を公開!おっさんの草刈機で必要なアイテムは、以前このブログで紹介した、自作のナイロンコード(メタリックコード)です。今回は、草刈機・刈払機用のナイロンコードやメタリックコードを電工用の圧着ペンチを使って自作するおっさん流の方法をご紹介します。ホームセンターの材料で全て揃います。...

チタニウムナイロンコードは太ければ丈夫で長持ちしますが、ナイロンコードが太くなると刈払機の接触抵抗が増えるので、クラッチやギアヘッドの摩耗、エンジンの過負荷で焼付きなどのトラブルが発生するリスクが高くなります。

色々情報を集めてみたところ、おっさんのエンジン排気量32ccでは3mm使用が最強の組み合わせのようだと判明したので、自作してみることにしました。

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法3mm
画像:【3.0mm装着のカッター】

ナイロンコードについて

草刈機(刈払機)を使った刈払作業の際、平坦で広い面積や障害物のない場所では、基本的にはチップソーなどの金属刃を使った方が効率的です。

改めてナイロンコードについて説明すると、ナイロンコードは、小石やブロック、フェンス、庭木などの障害物があったり、斜面や段差、起伏のある危険な場所でも、弾力性があってしなやかなので比較的安全に使用できるものです。

ナイロンコードの使用時は飛散防止対策を行うこと

コードが石などに巻き付いた際、条件によってはかなり遠くまで勢いよく石などを弾き飛ばすので、作業中は常にコードの接触位置に注意しなければなりません。ナイロンコードの使用時は飛散防止対策を行うことを徹底してください。

特に人家や道路沿い、駐車場などでは飛散防止ネットなどを使う対策が必要です。おっさんは過去に車の窓ガラスを割った経験があり、ベニヤ板2枚を横にして、治具で互いに直角に立てれば、1人の作業でも飛散防止対策ができるので、必ずこれを行いながら作業しています。

ナイロンコードの種類について

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法 ナイロンコード 比較
普通のナイロンコードは、使用していると先端が細くなってくると同時に裂けてきてしまいますが、メタリックコードだと、先端の角が削れて丸くなりながら摩擦で細く短くなっていきます。

ナイロンコードの種類は、断面形状から、丸、三角、四角、ツイスト、鋸刃などがあり、材質は、ナイロン、アルミ粉入り、チタニウム入り、生分解性樹脂などがあります。太さでは、2mm、2.2mm、2.4mm、2.6mm、3mm、3.2mm、3.4mmなどが市販されているようです。

<ナイロンコードの断面形状の種類>

  • 丸形
  • 三角形
  • 四角形
  • ツイスト
  • 鋸刃など

<ナイロンコードの材質>

  • ナイロン
  • アルミ粉入り
  • チタニウム入り
  • 生分解性樹脂など

<ナイロンコードの太さ>

  • 2mm〜3.4mmなど

ナイロンコードを自作する際にコスパを重視するのも大切なことです。ツイストや鋸刃タイプは価格が高めなので、まずは使用中のカッターで、使用可能な最も太い3.0mmを選択することにします。

コードが太くなると「ブーン」と風切り音が大きくなりますが、ツイストタイプでは多少軽減されるようです。おっさんは丸山製作所の刈払機MB320 32CCを使用しているため、元々エンジン音が大きいので、丈夫で切れ具合が良いナイロンコードならどんなものでもOKとしています。

ナイロンカッターのローター(円盤部)、差し込み式と繰り出し式の違いについて

市販カッターは差し込み式や手動/自動繰り出し式がありますが、おっさんは差し込み式を気に入っています。

差し込み式では装着本数は2本、4本、8本や、折り返し式など色々ありますが、自動繰り出し式は内部に予備分を巻き込んでおく構造から、2本が一般的のようです。

今回は、差し込み式の「チタニウムナイロンコード3mm四角型」での切れ味と耐久性を確認しようと思います。

ローターの差し込み部はコード径に合わないと使用できないので、現物ローターの確認をしておくことが必要です。

3mm径の対辺のようなので、対角は1.414倍して約4.2mm、ローターの穴の出口側は、横広のR付構造で、コードの破損防止対策を施されていると思われます。

おっさん使用のローターの差込部の穴は、大小ペアが4個で楕円形になっていました。出口からドリルを差してみたところ3.3mmまでは入り、コードの左右に僅かに隙間が見えるので、ナイロンコードの四角の面を上にして通すとギリギリでやっと通した感じになります。(使用後も破損はありませんでした)

この差込部は、円盤状の2枚の板を合わせて加工した物ですが、残念ながら最近のホームセンターなどの売り場にはこのタイプは見当たりません。

使用ローターの差し込み部の穴は、四角は3.0mm、楕円3.3mm、丸穴なら4mm必要と思われますが、ないなら作るしかない!という場合、ドリルで穴を拡大するときは、コード破損防止に出口側を十分に磨きあげる必要があります。(おっさんは、古い刈払機のため部品が調達できないので行なっているため、必ず自己責任でお願いします。)

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法 ナイロンコード 比較
画像:【使用後の差込み部状態】

チタニウムナイロンコード3mm四角型50mの調達

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法 チタニウムナイロンコード3.0mm四角
画像:【チタニウムナイロンコード3.0mm四角】

チタニウムナイロンコードの3mmが販売されていないか、近隣のホームセンターや農機具店を4店ほどチェックしてみたものの、2.4mmまでしか品揃えはありませんでした。そもそもホームセンターなどの売り場の刈払機は26ccまでしか展示がないので3mmコードは不要という事なのでしょう。

結局近隣のホームセンターでは3mmチタニウムナイロンコードは見つからずにネットで探すことにしました。

おすすめのナイロンコード 1:「セフティ3 チタニウムナイロンコード3.0mm四角型50m巻」
「セフティ3 チタニウムナイロンコード3.0mm四角型50m巻」は、ラベルのキャッチコピーには5倍長持ちすると書いてあり、コスパも良さそうです。(普通の3mmに対して5倍持ちが良いと解釈しました。)

商品はmade in FRANCEで、販売は藤原産業(株)(セフティ3は藤原産業のPB)となっています。

セフティ3 チタニウムナイロンコード3.0mm四角型50m巻のコスパ

実店舗や、ネット送料との組み合わせでどこで安く手に入るかは地域によって変わりますが、ナイロンコードと圧着するリングスリーブのコスパを調べてみたところ(2019年7月現在)

チタニウムナイロンコード3.0mm四角50m巻 (20cmカットで250本)⇒2,095円
リングスリーブE小(ニチフ)1箱(100個入)400円で2.5箱必要  ⇒1,000円
合計  2,095+1,000=3,095円

1本当り単価⇒3,095円÷250本=12.38円 なので、手間はさておき既製品の半額位になる計算です。

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法 材料

到着した商品現物をみてみると、前回自作の高儀(株)「斬丸」アルミ粉入り2.2mm made in JAPANよりかなり太く見えます。

手に取って実際に触ってみると材質がアルミ粉入り2.2mmより少し柔らかい気もするが太いからなのか?という印象です。

3.0mm四角というのは一辺の寸法で対角は約4.2mmのはずですが、ノギスを当てると4.0〜4.2mm、良く見ると断面が正方形ではなく角が少し出っ張っていて素材が樹脂ゆえに多少バラツキがあるようです。

リングスリーブE小(内径4.0㎜)に通してみると指先にかなり力を入れないと入れにくいです。かと言って「リングスリーブE中」(内径5.3mm)を使用では少し大き過ぎます。

コードは弾性があるので角が少し潰れた状態で通すことになりますが、復元性もあるのでエッジが破損するなどの性能上の問題はないと思われます。

電工用圧着ペンチでナイロンコードを加工する

nylonthreadgrasscutter11草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法 ロブスター圧着ペンチ
画像:【電工圧着ペンチのロック解除】
電工用圧着ペンチは完全接続するため、圧着部分には出っ張りがあって、スリーブに刻印が押され、ハンドルを握るとカチカチ爪の音がして完全に握り切るまで解除できない構造になっています。

<ナイロンコードとリングスリーブの圧着加工方法>

  • ナイロンコードは前回紹介の時と同様に長さ20cmでニッパで切る
  • リングスリーブE小のフレア側からコードを10mm差し込む(リングスリーブの終端まで)
  • 圧着ペンチのリングスリーブ用のサイズ「小」の位置に、リングスリーブの中央を挟み一気に握り込む
  • 爪のロックが解除され、リングスリーブは内側へ凹みができるので、圧着ペンチの構造上の隙間2mmを残して食い込んでコードを固定する

写真【今回使用した物】

ちなみに、おっさんが長年愛用しているロブスターのリングスリーブ用AK-17Aは、ハンドルに黄色プラスチックのカバー、ロブスターの裸圧着端子用AK-15Aは、ハンドルに赤いプラスチックのカバーがついています。

作業上、握っていくとカチカチと爪が掛かっていき最後まで握り切らないと解除されませんが、もし途中で間違いに気付いた時は、その時点で解除することもできます。

解除方法は、サイズを表示している面の一番下の解除用六角ボルト部分で行い、ハンドルを遊びの有る位置で軽く握り、六角ボルトを指先でつまんで右へ僅かに回転させるとロックが外れる仕組みです。

実際に草刈作業をしてみた結果報告

今回は雨の合間に1時間30分ずつ、2回合計3時間、さらに1回の合計3回の刈払作業を行いましたが、満足できる結果になりました。

自作チタニウムナイロンコード使用感:1回目

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法 使用感
画像:【1回目使用後】
1回目は、硬い草が少ない場所で試してみましたが、長さは変わらず先端2cm位で、角が少し丸くなっただけでした。
1つだけ気になることとしては、理由は不明ですが、途中で2回ねじれが入ったコードが1本ありましたが他は問題ありません。

自作チタニウムナイロンコードの使用感:2回目

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法 使用感
画像:【2回目使用後】
2回の刈払範囲は約30m×25m、硬い株立の草が多い場所での作業を行いましたが、思ったよりコードは減っておらず、気になっていたローターの差し込み部分のコードの痛みもありませんでした。

エンジンをフルスロットルにすれば作業が早くなってコードの摩耗も早くなりますが、想い入れのある刈払機なので、使用中はエンジン回転を70%位で一定にして先端部を草に当てるような作業を行い、慎重に試しました。3時間使用した後の3.0mmのコードは、長さは変わらず、先端から5cm位から4角のうち2角が丸くなり始め、3cm位からさらに細くなり角がとれて、最先端は尖った状態になっていました。

ちなみに前回2.2mmでは、約1時間30分の使用で、4cm短縮し、残りが先端から3cm位細く角が取れていたので、今回のチタニウムナイロンコードの方が明らかに耐久性があります。ただし条件として、30cc以上のエンジンのパワーが必要と思われます。

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法
画像:【3.0mmと2.2mmの使用前と後】

自作チタニウムナイロンコードの使用感:3回目

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法 使用感 比較
画像:【3回目使用後の状態】
3回目は続けてさらに厳しい条件で試し刈りを行いました。金網フェンス際で砕石敷きに笹や根株が硬い草などが50cm巾で生える所を30m位刈ってみると、さすがに長さは7cm短くなり13cmとなりましたが、先端付近の形状は2回目と変わりませんでした。

実際に試してみた結果、チタニウムナイロンコードは強度が高くとてもおすすめです。
今回は、差し込み型の自作メタリックコードの作り方第3弾を紹介しましたが、おっさん流のやり方なので、もし挑戦される場合は、あくまで自己責任で自身と周囲の安全確保をして取り組んで下さい。

ナイロンコードケースを自作する

草刈機・刈払機用チタニウムナイロンコード差込み式3mmを電工用圧着ペンチで自作する方法
画像:【2、2mm16本入り】

おまけのDIYとして、自作ナイロンコードケースをご紹介します。
実際にナイロンコードで草刈り作業を行う方ならわかっていただけると思いますが、コードは湾曲状態なので、草刈り作業中にポケットに入れて作業していると徐々に競り上がったきて紛失するなど、長巻から作るナイロンコードは、巻癖が付いているので、反りがあって、保管や持ち運びがストレスになります。

これまでにおっさんは、袋、輪ゴム、ビニールタイと色々試してみましたが、どれもいまいちでした。

そこで、あみ出した作戦が、細めのパイプに差し込む方法です。細いパイプに差し込めばコードは湾曲状態なので抜けにくくなるかもしれない!?そんな期待を込めて、手持ちの端材の中から、水道用の塩ビ管で一番細い「VP13(内径13mm)」でやってみることにしました。

塩ビのパイプをナイロンコードに合わせて長さ20cmに切って入れると、2.2mmコードだと16本入ります。おっさんはローターに4本をセットして使用するため、2.2mmが4回分の長さです。

今回は、保管用と持ち運び用に2個用意してみました。塩ビパイプの片側には抜け留めにプラスチックで外形18mmの円盤を切って接着してあります。なんてことのないものですが、これはなかなかおすすめです!

作業する分だけ入れておけば、失くすことがないので安心です。
新しいナイロンコードを草刈り作業中に失くしてしまうことがある方は、是非試してみてください!

丸山製作所・ハスクバーナー 丸山製作所製の古い刈払機(草刈機)MB320の修理記録
丸山製作所製の古い刈払機(草刈機)MB320の修理記録今回は、丸山製作所製の古い刈払機MB320の修理記録をご紹介します。ハスクバーナ刈払機132Rを使用した過去の修理、プラグ部分の交換、BIG−Mのメンテナンス用パーツを使った修理など、30年以上愛用している古い刈払機を再び動かす奮闘記です。...