おっさんの知恵袋

台所のシングルレバー混合栓(シングル湯水混合水栓)を自分で交換修理する

30年前の混合栓シングルレバー交換

ある日我が家の台所で30年近く活躍していた「縦型混合栓」から水漏れがありました。
水回りは毎日使うものなので、修理が必要です。お金をかけずにDIYでできる部分は直すのがおっさん流、今回はシングルレバー混合栓(シングル湯水混合水栓)を自分で交換する自力メンテナンスについてご紹介します。

シングルレバー混合栓交換後

※あくまでおっさん流なので、やってみようという方は自己責任でお願いいたします。

シングルレバー混合栓の正式名称は「シングル湯水混合水栓」です。

普通の蛇口なら100円程度のパッキン交換をするだけで済みます。

しかし、シングルレバー混合栓の中核部品は通常3,000円から5,000円程度するので、
それほど使用頻度はなくても、経年劣化を考えると、今回は本体ごと交換することに。

できるだけ安い格安品を探すことにしたので、メーカーを調べると、ホームセンターでは、TOTO、サンエイ、カクダイ、KVKなどのメーカー品があることがわかりました。

現在のシングルレバーは30年前と大きく異なる構造

30年前の混合栓シングルレバー交換

最近のシングルレバーの混合栓は、30年前のものとは規格や構造が大きく異なっています。

まず、レバーの操作が現状と反対です。旧品の混合栓は、レバーを押して下げることで水が出て、上げると止まる「上げ止め構造」です。

現在の新しい住宅で採用されているものは、レバーを上げることで水が出て、下げると止まる「下げ止め構造」となっています。

なぜ反対になったかについては、諸説あるようですが、30年の間に人間工学が導入された結果で、海外では30年以上前に下げ止め構造を開発しており、その流れが日本にやってきたと言われています。

一説には、激しい揺れを伴う地震が起こった場合に、台所や戸棚から物が飛び出て落下することで、レバーに当たると水が勝手に出てしまうことを防ぐという意味があるようですが、この件については、経緯がはっきりとしていないようです。

新しい新築の住宅やマンションに住む若い人たちは、人間工学を考えられて開発された新しい水の出し方が真逆であることを変に思うでしょうが、昔からあるタイプのシングル湯水混合水栓に慣れている人からしても、新しい住宅でレバーを押して水を出そうとしてしまう戸惑いは、「あるある」ではないでしょうか?

おっさんも取り付け後、無意識に押そうとしてしまったことがありますのでよくわかります。

通常の製品と廉価版との違いもある

シングルレバー部分の他は、混合栓の配管方式が細い銅管から強化樹脂製でフレキシブルになっています。価格はシンプルな製品で1万円〜3万円位が相場となるでしょう。

自前で交換するので、できればお値打ち価格の1万円程度で購入できればよいなと探していたところ、ホームセンターのセール品で、1万円を以下のTOTOの「TKY231型」を調達することができました。

余談ですが、現在色々な業界で「ホームセンター仕様」で廉価版の製品があるらしく、購入する人には通常の製品と廉価版の製品の選択肢があって、職人など商売道具として使う人や、一部のマニアは別として大抵の一般市民はコスパを比較して製品を選ぶ人が多いでしょう。

シングルレバー湯水混合栓の交換作業について

交換するシングルレバーも調達できたので、いよいよ作業に入ります。

一般に流し台のシングルレバー混合栓の下(壁との間)は、空洞の配管スペースになっています。流しの下の扉を開けると奥の小窓部分には、小べニア板がビス止めしてあり、この奥に混合栓と給水・給湯の配管接続部と止水栓があります。

流し裏の小窓シングルレバー交換

【写真 流し下小窓】

まず手前の収納物を外に出してべニアのビスを抜きます。

流し台の下へ潜って中を覗くと、配管接続部がありました。

流し下旧配管シングルレバー交換

【写真・流し奥旧配管】

よく見ると「給湯給水の接続方式」が違います。

・古いシングルレバー混合栓は、剥きだしの銅管にパッキンを嵌めそれを真鍮の接続部品内で圧縮している。

・購入した新しい規格のシングルレバーは強化樹脂ホースにアタッチメント付き

これだと、旧品の真鍮接続部品は使えないため、別途の部品が必要になります。給水配管を確認してみたところ、普通の13mm配管の接続で考えれば問題なさそうです。

シングルレバー交換後配管

【写真・流し下完成配管】

色々考えた結果、フレキパイプ(SUS蛇腹状・瞬間湯沸器等で使用)で長さを合わせて調整することができれば良いのではという結論に至りました。

フレキ=フレキシブル意で多様なタイプがあるが、水道用13mmタイプで、これを使用するには切断した両端に「つば出し」という作業が必要です。

接続部分には袋ナットとパッキンが入るため、蛇腹を3本均等に潰して平面にする必要があるので、さらに潰した状態で必要な長さに切断しておきます。

切断にはパイプカッターを使用します。カッターで配管を挟み回転刃をパイプに当て、カッター本体をゆっくり回転しながら締め込んで切断する仕組みです。

両端を均等に潰すには、つば出し専用の工具が必要になります。

写真はフレキ管を中に通し、蛇腹3本を上に出して分割アタッチメントで挟み、本体に差し込み打撃用の重しを上から入れてハンマーで数回叩いて潰す方式です。

切断面が荒いと平面ができず漏水する場合があるので注意してください。

フレキつば出し工具パイプカッター

【写真・つば出し工具パイプカッター】

古いシングルレバー混合栓を取り外して作業開始

作業の方向性が決まったところで、早速旧品を外しにかかります。

まず、裏の給水・給湯止水栓を絞めます。

旧シングルレバー混合栓の銅管接続部分の袋ナットを緩めて上下動可能にし、止水栓接続部(真鍮製)をレンチで回し外すと、天板下まで手が入るようになるので、古いシングルレバー混合栓を流しの天板に締め付けてあるネジ部を裏側からプライヤーで外し、天板上から引き抜ける状態にしておきます。

取扱説明書に通りに、天板に混合栓の土台部品をボルトで固定し、混合栓を上から差し込み仮固定し、ここで新しいシングルレバー混合栓のホースの取り回しを考慮して制作するフレキ配管の長さを決めます。

フレキ管を必要な長さにパイプカッターで切断し「つば出し作業」を行いますが、この時フレキ管に袋ナットを外向けで両端に入れてから「つば出し」します。

新品のホースを引き抜いて、樹脂ホースのアタッチメンにパッキンを入れフレキを繋ぎ、フレキ部分から片側づつ穴に差し込んでおき、袋ナットにパッキンを入れ止水栓に接続し、混合栓を固定したら閉の位置を確認して、止水栓2か所を開きます。

あとは、通水を確認して止水栓で最大吐出量と温水混合割合の調整して、最後に、扉の中のベニヤの固定を行いシングルレバー湯水混合栓の交換修理作業は、無事終了です。

シングルレバー湯水混合栓交換修理

【写真・流し配管】

おっさんのおすすめ配管工具

おすすめシングルレバー混合栓交換 配管工具
【写真・バーコとパイトン】
余談ですが、使用頻度は極少ですが、配管用工具で「おっさんが」が愛用するお気に入りの製品をご紹介します。

モンキーレンチ BAHCO(バーコ)8075というスウェーデン製の渋い鉄色の製品です。

アルミコーナーパイプレンチパイトン CPA-300

日本製でスーパーツール製 適応外径15〜46mm全長301mmスタンダード型

RIDGID ラチェットフレアリングツール FT456R(日本エマソン)
アメリカ製のエアコン等の銅配管の端末フレアー(つば)加工するためのフレアリングツール

おっさんおすすめRIDGITフレアリングツールFT456R
【写真・RIDGITフレアリングツール】