今回は、精密測定機器の総合メーカミツトヨ(Mitutoyo)のノギスN150mmについてご紹介します。このM型標準ノギスN150mmは、日本のモノづくりのスタンダードといえる存在です。
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ノギスとは
家庭で何かの長さを測るには、定規、メジャー、スケール、巻き尺、曲尺などが一般的ですね。おっさんは、何かをDIYで作ろうとするとき、0.1ミリ単位で長さを知りたくなる場合があります。
なんで知りたくなるかというと、必要だからなのですが、例えば5mmのネジ切タップの下穴ドリルは4.2mmですが、刻印が削れてしまってどれだかわからない、、、。
こんな時に「標準ノギス」の出番です。他にもDIY工作や、各種農機具など機械の修理の中で必要になることが多いです。
ノギスという名称の由来について
ノギスという言葉の由来は、ポルトガルの数学者ペドロ・ヌネシュ(ラテン語表記ペトルス・ノニウス、Petrus Nonius) が、ノギスに目盛りを付けたといわれており、ノニウスの言葉がなまって、日本ではノギスと呼ばれる様になったようです。
ノギスの特徴は、読み取り精度向上のため副尺(バーニヤ目盛)を持つことです。
ノギスの中でも精密測定機器の総合メーカであるミツトヨ(Mitutoyo)のM型標準ノギスN150mmは最も一般的に使われているノギスで、日本のモノづくりはここから始まったといってもよいほどです。
現在、ミツトヨ製のノギスやマイクロメータの国内シェアはなんと90%!ノギスは目立たない存在ですが、日本のものづくりを支えている縁の下の力持ち的役割を担っているのです。
ミツトヨの標準ノギス150mmで測ることができるのは、
- 内側測定:クチバシを使って穴の内径
- 外側測定:ジョウを使い厚さや外径
- 深さ測定:デプスバーを使い穴の深さ
- 段差測定:主尺と副尺を使い段差の幅
などをこれらを精密に、0.05mm単位で測ることができるのです。普段DIYや工具に興味のない方はふーん。とか、へー。とか、その程度かもしれませんが、とてつもなくすごいことなのです。
ちなみに、おっさんのDIYにノギスはなくてはならない、必須の道具です。
ではミツトヨのM型標準ノギスN150mm(現行は、M型標準ノギスN15)を詳しくみていきましょう。
ミツトヨM型標準ノギスN150mmの基本構造
本体の150mm目盛り刻み部分を「主尺」、主尺に沿って可動式の目盛り部分を「副尺」(バーニャ)、主尺上摺動し物に当たる部分をジョウ(外側)、クチバシ(内側)、開くと尻から伸びるのをデプスバーと呼びます。主尺と副尺の間にゴミが入らない目盛面段付です。
ノギスの精密な読み取りの原理
少しややこしい話ですが、ノギスの原理について触れておきます。
標準ノギスの主尺は1mm刻みで150mmまで目盛りがあり、最小読み取り精度は、1/20mm(0.05mm)となります。
主尺の19目盛をバーニア(副尺)で20等分した目盛があり、この両目盛(主尺と副尺)の差は、主尺の1目盛=1mmなので、副尺の1目盛=19/20mmになります。両尺の差=1−19/20=20/20−19/20=1/20mmです。
この差が、0.05mm単位の読み取りを可能にしています。
ミツトヨM型標準ノギスN150mmの計測方法
- 先端口先から副尺一体のジョウ、クチバシを平行に開いて測定物を直角に挟みます。
- 主尺目盛に副尺目盛りが一直線のところの副尺目盛りを+して読むと測定値となります
ミツトヨ(Mitutoyo)は世界に誇る日本の宝
ミツトヨといえば1939年に「マイクロメーター」の国産化成功に始まる、総合測定器メーカーです。その製品の信頼性は揺るぎないものがあり、国内シェアは90%ともいわれます。かつては海外で模倣品が出回る事件もあったほどです。
おっさんの「Mitutoyo」ロゴとの出会いは中学の「技術・家庭」で使用したマイクロメーターでした。30年前からミツトヨ「標準ノギス150mm」を愛用しています。
赤色の長方形の紙箱に、焦げ茶色のビニールケースと共に収まっていた記憶が懐かしいです。測定用品は何よりも確かな精度と耐久性が必要で、ミツトヨ製のノギスは絶対的な安心感があります。
10年位前には「デジマチックキャリパーCD−15PS」を購入しました。ミツトヨ製品は頑丈で信頼性が高く、価格はやや高めですが非常に高性能で、いわば日本のものづくりにおけるスタンダードといっても過言ではないでしょう。
丈夫であるがゆえに長持ちするため、デジマチックキャリパーも現在販売されているものはすでに、3世代前のモデルになってしまいました。
しかしおっさんの所有しているミツトヨの製品はどれも、まだまだ現役で十分に役目を果たしてくれています。
後継の現行機種はそれぞれ
ミツトヨ M形標準ノギスN15
ABSデジマチックキャリパ CD-AX
今後も時代の変化と共に多種多様なミツトヨ製の高機能製品が続々登場することを期待します。また未来のものづくりを担う若い世代にもぜひ1丁手元に置いて欲しいと思います。
今回は、ミツトヨのノギスについてご紹介しました。