おっさんの知恵袋

分電盤のブレーカーが落ちた(トリップした)際の対処方法と分電盤の基礎知識

分電盤のブレーカーが落ちた(トリップした)際の対処方法と分電盤の基礎知識

電気を使用中に、突然「バチンッ!」と音がしてブレーカーが落ちる現象は、多くの方が経験のあることだと思います。今回は、ブレーカーの基礎知識と家の分電盤のブレーカーが落ちた(トリップした)ときの対処方法をご紹介します。

分電盤のブレーカーが落ちた(トリップした)際の対処方法と分電盤の基礎知識

ブレーカーが落ちる理由は、台風、雷、電気の使用状況、漏電、電力会社のトラブルなどさまざまですが、ブレーカーが落ちたことを「トリップ」といいます。

そもそもブレーカーは「安全のため」に落ちるため、落ちている状態は、「今は安全な状態」であるため、慌てる必要はありません。

もしブレーカーが落ちたら(トリップしたら)まずは、落ち着いて、家の分電盤を確認しに行きましょう。万が一室内が真っ暗になったときのために、普段から決められた場所に懐中電灯を常備しておくとよいでしょう。

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分電盤とは何か?

分電盤のブレーカーが落ちた(トリップした)際の対処方法と分電盤の基礎知識
電力会社は電力計を家屋の壁に取り付け、契約者が設置した分電盤内に契約容量のアンペアブレーカーを置き接続しています。契約者はこれに漏電ブレーカー、その後ろに安全ブレーカーを並べて設置しており、各部屋ごとに分けて配線して使用することで電気を安全に使えるのです。

ちなみに、最近の新築の住宅の場合、電力会社により※スマートメーターが設置され、基本アンペアブレーカーは設置されないようです。

※スマートメーターとはなにか?

最近注目されている「スマートメーター」というものをご存知でしょうか?
スマートメーターは、電力会社が住宅等の壁に取付けるデジタル電力量計です。

通信機能を持ち「住宅用エネルギー管理システム(Home Energy Management System)」により、電気の使用・売電(太陽光発電等)状況などをリアルタイムで把握、蓄積、データを見える化し、料金メニューの多様化、省エネ化など、エネルギーや設備などの有効活用が期待されている、従来と異なるタイプの新しいメーターのことをいいます。

スマートメーターのメリット

使用者が電気を見える化できることに加えて、契約アンペア設定機能が内蔵され分電盤のアンペアブレーカーが不要になるところも特徴です。

スマートメーターを設置している場合、従来のブレーカーのガシャン!という音もなく電気が遮断(トリップ)され、トリップすると、数秒後(10秒以内)に自動復帰します。某電力会社の話では、連続9回ほどでロックがかかるそうですが、解除は電力会社が遠隔操作で行うことや、電力会社による毎月の検針作業が不要になることで人件費を削減でき、使う側と供給する側両方のメリットがあります。

分電盤の設置の状態には3パターンある

分電盤のブレーカーが落ちた(トリップした)際の対処方法と分電盤の基礎知識
家庭用の分電盤の設置状態には3パターンがあります。

  • 従来の分電盤
    従来型アンペアブレーカーが設置してある状態の分電盤です。
  • 既設分電盤で追加でスマートメーター設置の場合
    既存の従来型アンペアブレーカーは不要なものの、あえて撤去せずにスマートメーターを設置している場合です。
  • 新築でスマートメーター設置の分電盤
    新しい住宅では、スマートメーターが使われます。スマートメーターには、契約アンペア設定機能が内蔵されているので、従来型アンペアブレーカーを設置する必要はありません。

ブレーカーとは何か?

そもそもブレーカーとは一体どういうものかご存知でしょうか?

ブレーカーには4種類あり、それぞれ役割があります。規定容量を超えるとブレーカーが落ちて(トリップして)回路の電気を遮断して事故を防止する仕組みになっています。

  1. 従来型のアンペアブレーカー
    分電盤内の左端に電力会社が設置し、契約アンペアで色分けされています。(30A=緑、40A=灰色、50A=茶色、60A=紫)契約アンペア以上に電流が流れるとトリップします。
  2. スマートメーターに内臓のブレーカー機能
    スマートメーターにて契約アンペアを設定することが可能で、もし電気を使い過ぎた場合は、トリップしますが10秒以内(3〜4秒程度)で復帰し、9回連続のトリップでロックがかかります。どのタイミングでロックがかかる、かからないについては、使用中の電気器具が通電で電源が入るタイプだとロックがかかる可能性があります。電子式の電源スイッチの器具があれば通電してもOFFのままなのでロックが避けられる可能性があります。ロックがかかった場合、電力会社に連絡すると遠隔操作で解除作業をしてくれます。
  3. 漏電ブレーカー
    漏電ブレーカーは、分電盤の中央に設置されている大きめのブレーカーのことで、解除ボタンとテストボタンが付いています。このブレーカーは、漏電を常に監視していて、使用中の電気器具や、屋内配線で大地への漏電を感知してトリップすることで、万一、屋内配線や電気器具が漏電をした場合、自動的に電気の供給を止めて事故を防ぐ装置となります。漏電している場合は、原因を取り除かないと復旧することができないので、安全ブレーカーで個々の回路を特定します。
  4. 安全ブレーカー
    分電盤内の右側に並ぶ小型のブレーカーです。各々が各部屋やエリアに個別に配線されています。普通は容量20Aが設置されており、その回路で使い過ぎるとトリップする仕組みです。コンセント1個は15Aが限度ですが複数個で電熱器などを使用するとオーバーする場合があるので、注意が必要です。

ブレーカが落ちた時の復旧方法は?

分電盤やブレーカーの説明が長くなってしまいましたが、まず、ブレーカーが落ちた後、分電盤までたどり着いたら、どのブレーカーが落ちた(トリップした)のかを確認しましょう。

落ちた(トリップした)ブレーカーのハンドル(レバー)は、ONでもなくOFFでもない中間付近にあり、触ると少しグラグラしているはずです。

復旧方法は、分電盤の設置状態で対応が異なります。ブレーカーの仕組みがよくわからない場合は、漏電をしていると危険を伴う可能性があるので、事故を防ぐためにもブレーカーを触らずに、契約している電力会社に問い合わせるようにしてください。

1、スマートメーターが設置され契約アンペアが内部で設定されている場合(アンペアブレーカーが無い場合)

配電盤内のブレーカーのトリップが無いことを確認します。もし既設ブレーカーがトリップしていれば下記2からの対応をします。

契約アンペアを超えた電流が流れるとトリップしますが、数秒で自動復帰します。この時、使用電気器具で電子式スイッチの器具はOFFのままになり、再度トリップせずに済む場合もありますが、そうでない場合は連続してトリップし、9回程でロックがかかります。

使用中だった器具を確認して、オーバー分の電源コードを抜き使用量を減らします。ロックは電力会社へ連絡して遠隔で解除してもらいます。

2、アンペアブレーカーが落ちた(トリップした)場合

左端のアンペアブレーカーがOFFとなったなら、電気の契約アンペア以上に電気器具を同時に使い過ぎです。

家全体の使用量が契約アンペアを超えているので、使用中の電気器具を確認し、使用電気器具を減らします。不明の場合は、安全ブレーカーを一旦全部OFFにしてから、アンペアブレーカーをONにした後、安全ブレーカーを順番にONにしていきます。再度トリップした回路がオーバーしていることがわかります。

このときは、使用中だった器具を確認して、オーバー分の電気器具の電源コードを抜き使用量を減らしましょう。

頻繁にブレーカーは落ちる場合は、契約アンペアを増やす必要があるかもしれません。使用器具の電力使用量を調べて検討してください。

3、漏電ブレーカーが落ちた(トリップした)場合

左端のアンペアブレーカーがONになっているのを確認し、右端の安全ブレーカーを全てOFFにした後、先に漏電ブレーカーの復旧ボタンを押して、漏電ブレーカーのハンドルを一旦下へ下げてからONにします。

安全ブレーカーを順番にONにしていき、漏電ブレーカーが落ちたらその回路が漏電している可能性があるのでOFFのままにしておきます。

再度漏電ブレーカーを復旧し、続けて最後の安全ブレーカーまで確認をしていきます。
漏電回路の電気機器の電源コードを抜き同様に復旧します。再び落ちれば屋内配線が漏電している可能性があるので業者に調査を依頼します。

4、安全ブレーカーが落ちた(トリップした)場合

右側に並んで設置されている安全ブレーカー(通常は20A)のどれかがOFFならその回路の使用電気器具の電力が合計2000Wを超えた結果です。

使用電気器具を確認してオーバー分の電気器具の電源コードを抜いて安全ブレーカーをONにして復旧します。

まとめ

ブレーカーが落ちている間は、取りあえずは安全な状態なので、慌てずに、使用中の電気器具を点検し原因を特定することが大切です。手順通りに点検して、原因を突き止めて確実に原因を排除してから、復旧することが大切です。

ブレーカーは、電気回路の安全確保のために設置されていますが、頻繁に落ちる場合は原因を良く調べて対策をすることが必要です。

安全ブレーカー個々の回路は20A以内の使用でも合計で契約アンペアを超えれば、アンペアブレーカー又はスマートメーターがトリップします。普通コンセント1個は15アンペアが限度で、その回路のブレーカーは20アンペアなので同じ部屋で電気器具の電力合計2000Wは使い過ぎの証拠です。

炊飯器、電子レンジ、IH器具、電気ポット、トースター、ホットプレート、ドライヤー、電気ストーブ、それぞれ消費電力が500W〜1200W位のため、家電の組み合わせで、2個か3個、同じ回路で使用したらオーバーしてしまうことがあるので、器具の消費電力は把握して使用しましょう。

アンペアブレーカーが度々トリップするようなら契約アンペアを変更すれば解決できますが、基本料金がUPし、工事費用も発生します。

ブレーカーの交換工事等は電気工事士の資格が必要なので、無資格では行うことはできません。

スマートメーター交換は電力会社が順次交換を進めていて今後は全てが交換されます。スマートメーターが9回連続してトリップするとロックされ、ロックがかかった場合、解除は電力会社へ依頼し遠隔で行われます。原因不明で電力会社へ調査依頼すると費用を請求されることがあるので注意してください。

費用、安全管理、省エネの観点からも電気の使い過ぎには十分注意をしましょう。
また、不明な点があれば、契約電力会社や、各地の電気保安協会などに相談されるといいでしょう。

今回は、家の分電盤、ブレーカーについてご紹介しました。